小説

『個人的な体験』大江健三郎:障害のある息子の誕生に触発された作品

大江健三郎さんの『個人的な体験』は、1964年(昭和39年)に新潮社より発行された書き下ろしの長編小説で、第11回新潮社文学賞の受賞作。主人公は鳥(バード)という渾名の27歳の青年。脳障害のある嬰児に対する魂の遍歴が描かれています。
小説

『パン屋再襲撃』村上春樹:高度資本主義社会を生きることの違和感

村上春樹さんの初期の短編集『パン屋再襲撃』(文藝春秋, 1986年)には、6編が収録されています。高度資本主義社会という時代において、違和感を抱きながら生きざるを得ない現代人の姿が描かれています。
本・辞書

日本図書コードの分類記号(Cコード)

日本図書コード管理センターが発行するCコードをご存知でしょうか。書籍の裏に印刷されているアルファベットのCと4桁の数字で構成されるコードのことです。
小説

『回転木馬のデッド・ヒート』村上春樹:人々から聞いた8つのスケッチ

村上春樹さんの短編集『回転木馬のデッド・ヒート』には、1983年から1984年にかけて講談社の文芸PR誌『IN★POCKET』で連載されたものを元にした7編と、書き下ろしの2編が収録されています。
小説

『東京奇譚集』村上春樹:大切な何かを失うことへの切ない思い

村上春樹さんの短編集『東京奇譚集』には、「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」「どこであれそれが見つかりそうな場所で」「日々移動する腎臓のかたちをした石」「品川猿」の5作品が収録されています。
小説

『レキシントンの幽霊』村上春樹:読者を引き込む語りの巧妙さに感服

村上春樹さんの短編集『レキシントンの幽霊』には、表題作のほか、「緑色の獣」「沈黙」「氷男」「トニー滝谷」「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」の、合計7編が収録されています。物語の展開に引き込まれ、語りの秀逸さを味わうことができました。
小説

『なれのはて』加藤シゲアキ:一枚の絵と無名の画家の謎やその一族の人生に迫る

加藤シゲアキさんの長編小説『なれのはて』の初出は講談社の小説誌『小説現代』2023年10月号で、単行本の刊行は10月25日。『なれのはて』は、重厚なテーマを扱うミステリー仕立てで、年齢や性別を問わずに興味深く読み進めることができるだろう。
文学

K.M.ワイランドさんの小説の書き方についての指南書4冊

アメリカ人のK.M.ワイランドさんが執筆された、小説の書き方についての指南書4冊を紹介します。小説家をはじめ、文筆業に関心のある方の参考になる良書です。4冊すべてをシカ・マッケンジーさんが翻訳し、フィルムアート社が刊行しました。
評論・随筆・その他

森田良行さんの『〇〇をあらわす「基礎日本語辞典」』シリーズ

『〇〇をあらわす「基礎日本語辞典」』(角川ソフィア文庫)というシリーズがある。親本は『基礎日本語辞典』(角川学芸出版)。著者の森田良行さんは、1930年東京生まれの日本の国語学者で、日本語学だけでなく日本語教育にも携わってきた方。
文学

『ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで』橋本陽介

橋本陽介氏の著書『ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで』は、1980年代以降にノーベル文学賞を受けた作家とその作品が紹介されている。作品解釈にはあまり踏み込まずに、まだ作品を読んでいない方を対象にして書かれた。
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