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『ドライブ・マイ・カー』村上春樹作品の濱口竜介監督による映画化

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ここでは、映画『ドライブ・マイ・カー』について取り上げます。本作は村上春樹作品が濱口竜介監督によって映画化された作品です。

ドライブ・マイ・カー

ドライブ・マイ・カー
出典:Amazon

作品情報

監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介、大江崇允
原作:村上春樹
出演者:西島秀俊(家福悠介役)、三浦透子(渡利みさき役)、霧島れいか(家福音役)、岡田将生(高槻耕史役) ほか
製作国:日本
製作年:2021年
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2021年8月20日
ジャンル:ドラマ

Blu-ray/DVD ほか

VOD(ビデオ・オン・デマンド)

人間関係の機微を描いた小説の映像化

原作は村上春樹さんの短編小説で、人間関係の機微を巧みに描いた作品です。文藝春秋で連作され、のちに刊行された短編小説集『女のいない男たち』に収録の同名小説「ドライブ・マイ・カー」が原作であり、このほか、「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影されています。原作はリアリティーのある作品ですが、心理描写の部分など映像化が難しいようにも感じられる小説でした。しかし、国内外で高く評価され数々の賞を受ける映画作品が製作されました。また、原作の小説をかなり膨らませているようにも感じます。

濱口竜介監督はキャスティングにおいて、原作の登場人物との親和性を重視されたとのことで、西島秀俊さんの人柄が原作の主人公、家福悠介のイメージに近かったと述べられています。西島さん自身は中学、高校時代からの村上春樹ファンとのことです。渡利みさき役の三浦透子さん、高槻耕史役の岡田将生さんについても同様のことが言えるようです。

映画『ドライブ・マイ・カー』の高い評価は、多くのスタッフにも向けられています。第45回日本アカデミー賞(2022年)では、最優秀作品賞、最優秀監督賞(濱口竜介さん)、最優秀脚本賞(濱口竜介さん、大江崇允さん)、最優秀主演男優賞(西島秀俊さん)、最優秀撮影賞(四宮秀俊さん)、最優秀照明賞(高井大樹さん)、最優秀録音賞(伊豆田廉明、野村みきさん)、最優秀編集賞(山崎梓さん)を受賞。主演の西島秀俊さんも素晴らしい現場であったと振り返られています。

撮影期間中にはコロナの影響による一時中断、主要な舞台の変更などがありました。脚本もリライトしたそうです。映像の中にはマスク姿で買い物をするコロナ禍の様子を描くシーンもあります。

物語の舞台については原作小説では東京ですが、ロケ地としての撮影は一部です。当初、車の走行シーンを良いカメラポジションで自由に撮りやすいという理由で、韓国・釜山が撮影候補地にあがっていました。大部分を釜山で撮影する予定でしたが、海外での撮影が難しくなりました。そこで、広島をロケ地の中心に変更しました。

映画の中で韓国と思われる場所は最後のほうの数カットのみでした。代わりに広島でのロケーションが中心となり、北海道での撮影もあります。

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