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『文章読本』中村真一郎 文章を書く道標と近代百年の口語文の歴史【書評】

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本書の初出は、『ミセス』という婦人向けの雑誌。
1974年新年号から1カ年間、連載された。

そのため文学志望者という専門家たちではなく、一般向けに書かれている。
ただし、中村真一郎氏(1918年 – 1997年)があとがきで述べられているように、文学者にとって暗黙の了解事項とされる文章の基本要素そのものを考え直す機会になる。

なお、『ミセス』は学校法人文化学園の事業活動の一環として、文化出版局が発売していた雑誌で、1961年9月に創刊され、2021年3月5日発売の4月号をもって休刊した。

中村氏の『文章読本』は、1975年に文化出版局から単行本として刊行された。
1982年3月に新潮社より文庫本が刊行され、2022年現在、Kindle、楽天Kobo、ebookjapanなどの電子書籍が発売されている。

1975年のあとがきには、次のようなことが書かれている。

普通に使っている文章語、つまり口語文は非常に流動的であり、また混乱を極めている、と言われている。
そこで文章の専門家である文学者に、その混乱の解決という重責が課せられている。

それは近代百年の口語文の歴史のあとを洗い直すという仕事になった、と。

中村氏の『文章読本』は、一般の人たちが文章を書く時の道標であると同時に、近代日本の文章の変遷の歴史を述べた本でもある。

本書は「口語文の成立」「口語文の完成」「口語文の進展」「口語文の改革」の4部構成。

文章読本(新潮社)/中村真一郎
出典:Amazon
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