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『探偵ガリレオ』東野圭吾 ‐ 1998年刊行の人気シリーズ第1弾【書評】

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この記事では、東野圭吾さんの短編小説集『探偵ガリレオ』を紹介します。

探偵ガリレオ 東野圭吾・著

探偵ガリレオ(東野圭吾, 文春文庫)の表紙
出典:Amazon

書誌情報

書名:探偵ガリレオ
著者:東野圭吾
出版社:文藝春秋
発売年月:単行本 1998年5月/文庫本 2002年2月
ページ数:単行本 296ページ/文庫本 336ページ
ジャンル:エンタメ・ミステリ

紙書籍

1998年刊行の人気シリーズ第1弾

東野圭吾さんのミステリ短編集『探偵ガリレオ』は、1998年5月に文藝春秋から単行本として刊行された、ガリレオシリーズの第1弾。初出は文藝春秋の月刊小説誌『オール讀物』である。『探偵ガリレオ』には、『オール讀物』に1996年から1998年にかけて掲載された5作品が収録されている。

『探偵ガリレオ』は、「第1章 燃える(もえる)」、「第2章 転写る(うつる)」、「第3章 壊死る(くさる)」、「第4章 爆ぜる(はぜる)」、「第5章 離脱る(ぬける)」の、5章からなる。単行本で294ページの分量である。

各章が完結する軽めのミステリだが、読み応えがある。第1章から第5章のすべてに、物理学者・湯川学とともに草薙俊平刑事が登場する。

この小説は、警視庁捜査一課の草薙俊平が、奇怪な事件の真相解明のために、天才物理学者・湯川学に助言を求めるとう設定である。草薙と湯川は、学部は違うが帝都大学の卒業生で、親友である。二人には、バドミントン部に所属していたという繋がりがある。

湯川の所属は、帝都大学理工学部物理学科第十三研究室。この段階では助教授である。湯川の外見上の特徴は、長身で色白、黒縁眼鏡をかけた秀才タイプ。彼は子供嫌いである。

なお助教授の職階は、2007年の学校教育法改正によって廃止され、新たに准教授という職階が新設された。職階の順番は、教授、准教授、講師、助教、助手。

対して草薙は、帝都大学社会学部を卒業し、警視庁捜査一課の刑事をしている。彼は理系オンチである。

「第1章 燃える」において、プラズマのことを専門家に聞くために、草薙が大学時代の友人である湯川を訪ねることになった。「第5章 離脱る」の頃には、不可解な事件に遭遇した時に、湯川から貴重なアドバイスを貰っているということは、草薙の所属する班では有名な話になっていた。

草薙の上司・間宮係長が、草薙に対して湯川に相談してくるように指示するほどだ。その頃には、彼らは湯川をガリレオと呼んでいた。その事を湯川本人が知ったのは、「第5章 離脱る」の事件のときである。

『探偵ガリレオ』は、人気作家・東野圭吾さんの人気ミステリ・シリーズの、記念すべき第1弾。東野圭吾さんのミステリ小説は、理系出身の著者ならではの、専門知識を活かしたトリックだけでなく、人物造形にも定評がある。

文体は、簡潔明瞭であり、分かりやすく読みやすい。『探偵ガリレオ』には、短編集としての読みやすさもある。読んでおきたい一冊だと思う。

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