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『蛇を踏む』川上弘美 ‐ 筆力の評価が高い作品【書評】

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この記事では、川上弘美さんの小説『蛇を踏む』について、そのテーマや登場人物、物語の魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。

蛇を踏む 川上弘美・著

蛇を踏む(川上弘美, 文春文庫)の表紙
出典:Amazon

書誌情報

書名:蛇を踏む
著者:川上弘美
出版社:文藝春秋
発売年月:単行本 1996年8月/文庫本 1999年8月/電子書籍 2003年2月
ページ数:文庫本 192ページ
ジャンル:小説

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電子書籍

筆力の評価が高い作品

川上弘美さんの短篇小説『蛇を踏む』は、第115回芥川賞受賞作。初出は『文學界』1996年3月号。同年に刊行された単行本には、表題作『蛇を踏む』のほか、『野性時代』1996年3月号掲載の『消える』および『文學界』1996年9月号掲載の『惜夜記(あたらよき)』の三篇が所収されている。
短篇『蛇を踏む』は、端的に言えば変身譚であり、筆力の評価が高い作品であった。

芥川賞を受賞した『蛇を踏む』は、題名が示す通り、公園に行く途中の藪で、主人公が蛇を踏んでしまう場面から始まる。主人公の名前はサナダヒワ子。「私」という一人称で書かれている。
以前は女学校で理科の教師をしていたが、身につかず4年で辞め、現在はコスガさん夫婦が経営する数珠屋に雇われ、店番などをしている。設定は現代社会のありきたりな日常生活。だが本作は、蛇が人間になるという変身譚である。

本作のあらすじに関しては、芥川賞選考委員会でも、評価の意見が分かれたが、大方は好意的だった模様。物語展開のうまさなどを評価された。そして、選んだ素材の賛否よりも、筆力を評価する意見が多い。例えば、書き出しの切れ味が鋭いとか、情感をたたえた文章とか。実際にすらすらと読める。

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