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『KYOKO』村上龍 ‐ 登場人物も読者も心を打たれてしまう女の子【書評】

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この記事では、村上龍さんの小説『KYOKO』について、そのテーマや登場人物、物語の魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。

KYOKO 村上龍・著

KYOKO(村上龍, 村上龍電子本製作所)の表紙
出典:Amazon

書誌情報

書名:KYOKO
著者:村上龍
出版社:集英社/幻冬舎/村上龍電子本製作所
発売年月:単行本 1995年11月/集英社文庫 1998年12月/幻冬舎文庫 2000年2月/電子書籍(Kindle版) 2019年12月
ページ数:集英社文庫 272ページ/幻冬舎文庫 218ページ

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電子書籍(Kindle版)

登場人物も読者も心を打たれてしまう女の子

村上龍さんの小説『KYOKO』を読みました。小説『KYOKO』は、1995年に集英社から刊行された書下ろし小説です。実は小説『KYOKO』は、村上龍さんが監督・脚本を務めた映画をノベライズした作品です。

村上龍さんは、「KYOKO」のあらすじを書き、脚本を書いて映画化してから、ノベライズした、と述べています。映画『KYOKO』の主演は高岡早紀さんでしたが、主人公のキョウコには高岡早紀さんのイメージが投影されているそうです。映画『KYOKO』は、1996年に劇場公開されました。

この小説には、21歳になった日本人の「キョウコ」が、「ホセ」というヒスパニック系アメリカ人と再会するために、アメリカへ渡ったときの出来事が描かれています。
キョウコは、8歳のときに、日本の米軍基地のある街で、ホセと出会いました。ホセは、GIであり、ダンサーでもありました。キョウコは、公園や空地で、数カ月でしたがホセからダンスを教わりました。その思い出は、キョウコにとってはとても重要な出来事であったようです。
アメリカへ帰ることになったホセは、ニューヨークの自宅住所をキョウコに教えていました。ただしキョウコは、12年前に別れてから、連絡をとっていません。そのためキョウコは、ホセが自分を覚えているかどうかの不安はありました。
しかしキョウコは、トラックドライバーの仕事で貯めたお金を使って、ホセに会いに行きます。キョウコは、どうしてもホセに、ダンスを教えてくれたことへの感謝を伝え、続けてきたダンスを披露し、もう一度一緒に踊りたかったのです。けれどもアメリカでの旅は、キョウコがまったく想像もしなかったようなものでした。
キョウコは、ニューヨークを訪れ、自らが運転する車でマイアミへ行き、さらにキューバにも行くことになります。その間、キョウコは大勢の人々に出会います。

この小説は、キョウコの視点で語られるモノローグとエピローグ、および第1章から第13章という章立てです。第1章から第13章までは、ホセを含め、キョウコがアメリカで出会った登場人物たちの視点で語られます。同じ人物が複数回、視点人物になることもあります。また3回ほど、インターリュードとして、キョウコの視点で語られる話が、章の中に配置されています。

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