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日本人の起源を科学的に解明、DNA解析の本2冊を読んだ感想 (斎藤成也/篠田謙一)【書評】

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DNA解析による日本人の起源についての解明。新聞やネットニュースでも取り上げられていて、もう少し詳しく知りたかったので本を購入しました。

DNA解析により日本人の起源を解明しようとする分子人類学者2人の試み

日本人の起源について関心があるので、斎藤成也氏の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』という本を購入して読んだ。斎藤成也氏は遺伝学者あるいは分子人類学者。

以前、同じく分子人類学者の篠田謙一氏の『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』という本を読んだことがあるので、比較もしてみた。

斎藤成也氏の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』

日本人の源流(河出書房新社/斎藤成也)
出典:Amazon

書誌情報

書名:日本人の源流:核DNA解析でたどる
著者: 斎藤成也
出版社: 河出書房新社
発売年月: 単行本(四六判) 2017年10月/電子書籍 2017年10月/文庫本 2023年3月
ページ数:単行本 215ページ/文庫本 264ページ
Cコード: C0145(生物学)

著者の斎藤成也氏は遺伝学者・分子人類学者。核DNAは、両親からの遺伝情報を受け継ぐ。日本人の起源に関する最新情報を知りたくて購入した。

ただし、日本人の起源の解明というよりは、先端技術である核DNA解析に関する本という印象を受けた。日本人の源流を解明することは、難しいようである。

核DNA解析による日本人の起源の解明に関しては研究段階のようだ。これまでの仮説を先端科学で証明することに、意義があるのかもしれない。

以前、母系を辿るミトコンドリアDNAによる解析の本を読んだことがある。篠田謙一氏の著作『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』である。日本人の源流の解明ということに関しては、両者に大差はないように感じた。

斎藤成也氏の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』は、研究過程の苦労話や解析方法に関する話が多く、遺伝学の分野に進む学生などが読むのに適していそうだ。ミトコンドリアDNAやY染色体などの他の分子人類学や、考古学、形質人類学など、関連分野の研究者との協力も必要なのだろう。

篠田謙一氏の『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』

日本人になった祖先たち(NHKブックス/篠田謙一)
出典:Amazon

書誌情報

書名:日本人になった祖先たち:DNAから解明するその多元的構造
著者: 篠田謙一
出版社: NHK出版(NHKブックス)
発売年月:単行本(B6判) 2019年3月/電子書籍 2019年3月
Cコード:C1345(生物学)

篠田謙一氏の研究にも、簡単に触れておく。私が読んだ『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』(NHKブックス)は、2007年発売の旧版である。

こちらの本は、2019年に新版が発売されているので、読むとするなら新版が良いだろう。新版には、核DNA解析やその後明らかになったことを盛り込んでいるとのこと。ただし新版は読んでいないので、はっきりしたことは分からない。また、篠田謙一氏の研究はミトコンドリアDNAが中心のようだ。

旧版が発売された頃、ミトコンドリアDNAという言葉が話題になっていたので購入した。ミトコンドリアDNAは母性遺伝情報。つまり母系のみを辿ることになる。人類の系統を辿るには、父系を辿るY染色体の分析と併せて検証する必要があった。

分子人類学者の研究は、人類の移動、あるいは歴史を知る手掛かりになる。古人骨と現代人のDNA解析により、人類の系統や分布が分かってきたが、日本人の起源を解明するのは難しいようだ。

古代人のDNAを採取できれば容姿の復元が可能

この研究は継続されており、古代人のDNAを採取できれば彼ら彼女らの容姿を復元できるようだ。だが、日本人の祖先がアフリカを出てから、どのような経路を辿って日本列島に到達したのかなど、たくさんの情報がなければ日本人の起源や祖先にまで迫るのは難しい。

日本人の起源という論点に関しては、考古学や歴史の本を読んだほうが知的好奇心を満たせるかもしれない。

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