本・辞書

『楷・行・草 筆順字典:正しく美しい字が書ける』吉田琴泉【書評】

この記事は約3分で読めます。

『楷・行・草 筆順字典:正しく美しい字が書ける』は、書写書道家の吉田琴泉さんの編著。楷書・行書・草書の筆順や、書くときのポイントが、わかりやすく紹介されています。収録字数は、常用漢字2,136字、人名用漢字650字、ひらがな48字、カタカナ48字です。

紙書籍のサイズ・頁数は、A5判・1008頁とボリューム感や文字の大きさなどがちょうどよいと感じました。製本も丈夫なビニール表紙で開きやすく、利用シーンを想定して適切に仕上げているようです。文字を探すときも、50音による配列が開きやすく見やすく、また巻末には音訓索引と総画索引があります。

今日、パソコンを使ってタイピングすることが多くなりましたが、手書きで名前や住所などを書く機会は度々あります。美しい文字となるとそれなりの修練が必要ですが、正しい字が書けると手書き文字の印象はだいぶ変わります。正しい文字を繰り返し書いていると、徐々に美しい文字が書けるようになるかもしれません。

また、パソコンの文字では、明朝体やゴシック体などが使われることが多いのですが、教科書体と異なる部分が多いことをご存知でしょうか。例えば、明朝体では長さのバランスや字形に相違点があるため、そのまま真似て書くと、筆写体とは違う書体になってしまいます。ゴシック体では、止め・はね・払いが分かりにくく、字形に関しても教科書体とは相違点があります。

特に明朝体に関しては、教科書体と字形が似ているため、誤って覚えてしまうことがあるかもしれません。本書の前置きとして書かれていますが、常用漢字表は明朝体の一種を使って印刷されています。これは、印刷字体と筆写字体をできる限り一致させようという考えに基づいています。しかし、常用漢字表の印刷文字は、止め・はね・払いの方向などに、筆写体とは同じでない場合が多くあります。

明朝体・ゴシック体・教科書体などの印刷文字は、印刷機が発明されたのちに作られたものです。対して、本書の文字は、字源を参考にしながら、筆写体として現代の生活により身近な字体を採用したとのこと。

普段、文章を書いているときに、いちいち字典で確認するのは手間に感じるかもしれません。しかし、少なくても自分の名前や住所などについては、正しい文字の書き方を確認したほうがよいでしょう。また、ひらがなとカタカナを正しく美しく書けるでしょうか。

日本語の文字について、曖昧であったり自信が無かったりするときに、家庭やオフィスで手元に本書『楷・行・草 筆順字典:正しく美しい字が書ける』があるととても便利です。もちろん、書道や習字などにも大いに役立つでしょう。

楷・行・草 筆順字典/吉田琴泉
書誌情報

書名:楷・行・草 筆順字典:正しく美しい字が書ける
編著:吉田琴泉(よしだ・きんせん)
出版社:ナツメ社
発行年月:2016年9月
Cコード:C2071

紙版はこちら。

電子版はこちら。

タイトルとURLをコピーしました