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『面白い物語の法則』クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ【書評】

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この記事では、クリストファー・ボグラー氏とデイビッド・マッケナ氏の共著『面白い物語の法則:強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』を紹介します。

面白い物語の法則 クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ・著

面白い物語の法則/クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ
出典:Amazon

書誌情報

書名:面白い物語の法則:強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術
著者:クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ
翻訳:府川由美恵
出版社:KADOKAWA(角川新書)
発売年月:2022年2月(新書版・電子版)
Cコード:C0274(演劇・映画)

紙書籍

電子書籍

独自に発展させたエンタメ向きの本格的手法

『面白い物語の法則:強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』の共同執筆者、アメリカ人のクリストファー・ボグラー氏とデイビッド・マッケナ氏は、ハリウッドで脚本開発に携わる第一線のプロ。

本書で紹介されている手法は、アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベル氏(1904 – 87年)のヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅路)理論に、旧ソビエト連邦の昔話研究家ウラジミール・プロップ氏(1895 – 1970年)のおとぎ話理論、ボードビル(寄席演芸)の手法などをミックスさせて独自に発展させた、エンタメ向きの本格的手法。

本書は、2013年9月に単行本が刊行され、2022年2月に上下2分冊で新書版と電子版が発行された。上巻は原書の第12章まで、下巻は第13章~最終章を収録。

ボグラー氏は冒頭で、本書が頭のなかで使うツールキットであると、述べている。能力を高め、効率を改善するのに不可欠であり、作業をずっと楽にしてくれるものである、と。そして、ボグラー氏のアプローチが、神話学者のジョーゼフ・キャンベル氏の研究が基盤になっていることを。

本書は、キャンベル氏の研究を、12のステージからなる典型的なヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅路)としてまとめ、映画にも適用できる物語構造としてまとめたもの。さらに、キャンベル氏やスイスの精神科医・心理学者カール・ユング氏の研究を基礎として、キャラクターのアーキタイプ(原型)の理論化も行った。

また、ボグラー氏とマッケナ氏のお二人は、ほかのどこよりも優れた学校、すなわち実社会という場で学んだことを、すべてツールキットとして活用している、とのこと。そして、物語の創作に不可欠な原理や技術だと考えられるものが、提供されている。たとえば、構造、登場人物、テーマなどについて。

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