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『悪人』祐一が最後に取った行動は何を意味するのか【映画評】

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この記事では、映画『悪人』について、そのテーマや登場人物、物語の魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。

映画『悪人』は、2010年9月に劇場公開された作品です。原作は、朝日新聞にて連載された、吉田修一さんの同名小説。吉田修一さんは、監督の李相日さんと共同で、脚本を手掛けています。殺人事件を題材に、人間ドラマが描かれている作品です。

悪人

悪人(映画)
出典:Amazon

映画作品情報

監督:李相日
原作:吉田修一
脚本:吉田修一、李相日
出演者:妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり ほか
配給:東宝
劇場公開日:2010年9月11日

Blu-ray/DVD ほか

映画『悪人』のあらすじ

妻夫木聡さんが演じる清水祐一は、祖父母と暮らす土木作業員です。
清水祐一は子供のころ母親に置き去りにされたことがあり、その後、祖父母に育てられたという生い立ちがあります。
祐一が住む祖父母の家は、長崎の小さな漁村です。
祐一は、車だけが趣味の口数の少ない青年として描かれています。

深津絵里さんが演じるのは、佐賀の紳士服量販店で販売員をしている馬込光代です。
馬込光代は、妹とアパートで2人暮らしをしていて、自宅アパートと職場を往復する退屈な毎日が続いています。

祐一と光代は、共に人生に楽しみを見出せずに、孤独な日々を送っています。
そんな二人が出会い系サイトで知り合いました。
初めて待ち合わせた日に関係を持ち、その後も逢瀬を重ねます。
出会い系サイトで知り合った二人ですが、運命の出会いと感じているようです。

ある日、光代は自宅アパートの前で、祐一から強引に車に乗せられます。
光代は、躊躇いながらも好意を寄せる祐一と行動を共にします。

その途中で祐一は、光代に自分が殺人犯であることを告白します。
祐一は、連日ニュースで報道されている福岡の峠道で起きた殺人事件の犯人でした。
祐一が殺したのは、光代と知り合う前に、同じように出会い系サイトで知り合った石橋佳乃(満島ひかりさん)です。
佳乃は、保険外交員でした。
出会い系サイトで知り合った男と売春まがいのことを繰り返していて女性です。
その佳乃から、祐一はプライドを気付付けられたうえ、善意で取った行動に対して理不尽な暴言を浴びせられます。
逆上した祐一は、佳乃を扼殺してしまったのです。

祐一は、自分に容疑の目が向けられたことを知り、自宅に帰らず光代を連れまわしていたのです。
ようやく、祐一は光代に秘密を打ち明け、出頭することを決めました。

しかし光代は、なんと祐一が出頭するのを引き止めてしまいます。
そして、祐一と光代の切ない逃避行が始まったのです。

祐一と光代は、ラブホテルを転々としながら、使われていない灯台に辿り着きます。
祐一と光代は、近くの店で食料品を調達しながら、そこで身を潜めていました。

逃避行の最後、警察に捕まりそうになる場面で、祐一は光代に対して驚くような行為をします。
この時の祐一の本心はどういった状態だったのでしょうか。

この映画で描かれた「悪人」とは

この映画や小説のタイトルでもある「悪人」は祐一のことでしょう。
殺人を犯した祐一は悪人です。
登場人物のなかで、もっとも悪人なのは誰かといえば、祐一であることは確かでしょう。

ただ、人間の善悪を考えるときに、物語の途中で悪人に相当するような人間が何人か存在します。

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