小説

『透明な螺旋』東野圭吾 ‐ 真相を辿り新事実を明らかに【書評】

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この記事では、東野圭吾さんの小説『透明な螺旋』について、そのテーマや登場人物、物語の魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。

透明な螺旋 東野圭吾・著

透明な螺旋(東野圭吾, 文藝春秋)の表紙
出典:Amazon

書誌情報

書名:透明な螺旋
著者:東野圭吾
出版社:文藝春秋
発売年月:単行本 2021年9月
ページ数:単行本 304ページ
ジャンル:エンタメ・ミステリ

紙書籍

真相を辿るにつれ隠されていた新事実が明らかに

『透明な螺旋』は、ガリレオシリーズ第10弾の長編。プロローグは半世紀前の出来事。ストーリーにおける繋がりを読者に意識させながら、場面は現代に移る。二人暮らしの母娘。母親の急死、娘と男性との出会いと急展開し、事件が起きた。

千葉・南房総沖で漂流している男性の遺体が発見された。損傷がひどいが、銃殺されたと判断された。行方不明者届が出されている人物が有力候補として浮上。届けは同居女性によって提出されていた。しかし、その女性と連絡が取れない。自宅アパートを訪ねると留守。職場には休職願いを出していた。

事件の真相解明のために人間関係を辿っていくと、湯川学の名が浮上。湯川は、両親が住む横須賀のマンションに居た。警視庁の刑事・草薙と内海薫は、湯川を訪ねる。今回は湯川学の生い立ちや家族についても語られていた。

今までの傾向からして、被害者男性には人間性において殺害される理由があったと予想できる。同居女性がいることから、思いつくことが一つ。実際は、もう一つ、裁かれるべきことがあった。

ただ、同居女性にはアリバイがあった。しかも、今回の殺人事件の犯行は銃殺。花屋に勤める若い女性に対して、通常なら容疑はかけられなかったかもしれない。しかし、その女性は失踪。当然、警察は彼女を捜す。

事件の背景が見えてきたところで、さらに新事実が明かされるという仕掛け。クライマックスまで真相を予想しきれない。湯川学と関係者の一人との繋がりにも意表をつかれた。

殺人犯には、大切な人を守りたいという動機があった。だが、真実を知ることはあまりに酷。悲しみに打ちひしがれることになっただろう。被害者男性にとっては自業自得という結末であった。

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