この記事では、三木三奈さんの小説『アキちゃん』について、そのテーマや登場人物、物語の魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。
アキちゃん 三木三奈・著
三木三奈さんの小説「アキちゃん」は第125回文學界新人賞を受けた作品。『文學界』2020年5月号(文藝春秋)に掲載された。第163回芥川賞の候補作でもある。
アイスネルワイゼン 三木三奈・著
小説「アキちゃん」は、2024年1月に文藝春秋より刊行された『アイスネルワイゼン』に併録されている。小説「アイスネルワイゼン」は『文學界』2023年10月号掲載の第170回芥川賞候補作。
書誌情報
書名:アイスネルワイゼン
著者:三木三奈
出版社:文藝春秋
発売年月:単行本 2024年1月/電子書籍 2024年1月
ページ数:単行本 216ページ
ジャンル:小説
紙書籍
電子書籍
徐々に明かされる「アキちゃん」の人物像(書評)
小説「アキちゃん」は、一人の女性が小学5年のときに同級生だったアキちゃんのことを、回想しながら語る構成である。
小学生のときにミッカーという渾名で呼ばれていた語り手は、小学5年の一年間、アキちゃんと同級生だった。
物語の冒頭から、アキちゃんが大嫌いだった、憎しみに近いと始まる。
アキちゃんの正体が徐々に明かされていくが、実はトランスジェンダー。
読み終えて、寄り添わない小説という意味が分かった。
ただ小学生の女の子の心理として、自然に共感できる方は多いかもしれない。
ミッカーは春休みに入ると同時に転校した。
その後、ミッカーはアキちゃんと再会することはない。
ミッカーは、偶然にも当時のクラスメートである、タナさんと同じ女子大に入学し、アキちゃんのその後を知った。
あらすじに触れ過ぎると、読む楽しみが減りそうなので、これ以上は触れない。
今のご時世では性的マイノリティへの理解が深まっている。
作中の最後でも、それを踏まえて締め括っているように感じた。