書物とことば

『文章読本』谷崎潤一郎 日本語の本質を説く

谷崎潤一郎氏の『文章読本』は、日本語の本質を説いており、80年以上経っても色褪せない。今読んでも学ぶべきことが多く、今後の参考にもなる。時代背景が変わっても、価値ある文章読本である。
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『文章読本』三島由紀夫――教養を感じる高い見識と明快さ

三島由紀夫氏の『文章読本』からは、 教養に裏付けられた卓越した見識を感じる。実用的な文章なら誰でも書けるが、鑑賞に耐えうる文章は専門的な修練を経なければ簡単に書くことはできない。三島由紀夫氏は、文章の最高の目標を、格調と気品に置いた。
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『星落ちて、なお』澤田瞳子――ひとりの女性の一代記

澤田瞳子さんの小説『星落ちて、なお』は、第165回直木賞受賞作。『別冊文藝春秋』に掲載された連載小説が、単行本化され直木賞を受賞した。明治から大正の、東京を舞台に、実在した女絵師をモデルにし、彼女の人生を一代記として書いている。
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『少年と犬』馳星周――素直に感動できるストーリー

馳星周さんの『少年と犬』は、第163回直木賞受賞作である。連作短編として、娯楽小説誌『オール讀物』に掲載された6話からなる。多聞と名付けられた犬の旅が、ひとつの物語として完結する。
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『背中の蜘蛛』誉田哲也――現代の監視社会と犯罪

誉田哲也さんの長編小説『背中の蜘蛛』は、国家による監視社会を題材にした警察小説。第162回直木賞の候補作。本作は、元CIA職員が暴露した、アメリカ合衆国連邦政府による個人情報監視の実態を題材にしている。
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『旅する練習』乗代雄介 構造の完成度の高さと喪失感の残る結末が印象的

乗代雄介さんの「旅する練習」は、第34回三島賞受賞作。第164回芥川賞の候補作でもある。風景描写によるメタフィクションなど、構造の完成度の高さに評価が集まった模様。
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『テスカトリポカ』佐藤究 アステカ神話を現代に重ねるクライムノベル

佐藤究さんの長編小説『テスカトリポカ』は、直木三十五賞と山本周五郎賞をW受賞した作品。これは17年ぶり史上2度目の快挙である。壮大な物語を完成させるために、相当の資料を読み込み、言葉で描写することに妥協しなかったことが窺える。
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『物語論 基礎と応用』橋本陽介――文学研究におけるナラトロジー

橋本陽介さんの『物語論 基礎と応用』。文学研究には、「何が書かれているのか」という内容を重視する方法と、「どのように書かれているのか」という形式を重視する方法とがある。物語論(ナラトロジー)は後者、形式を重視する立場。
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『「文章術のベストセラー100冊」の ポイントを1冊にまとめてみた。』(藤吉豊・小川真理子)

『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(藤吉豊・小川真理子)は、人気の文章術本100冊から重要エッセンスを抽出した手引き書。文章力を高めたい人や、どの本から読めばいいか迷っている人におすすめの一冊です。
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『日本国紀』百田尚樹による“語りかける”通史――歴史初心者にも読みやすい一冊

『日本国紀』は百田尚樹さんによるベストセラー歴史書。日本の通史を“語りかけるように”描き、歴史初心者にも読みやすい内容が魅力です。
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