日本文学

本・小説

『旅する練習』乗代雄介 ‐ 構造の完成度の高さと喪失感の残る結末が印象的【書評】

乗代雄介さんの「旅する練習」は、第34回三島賞受賞作。第164回芥川賞の候補作でもある。風景描写によるメタフィクションなど、構造の完成度の高さに評価が集まった模様。
本・小説

『テスカトリポカ』佐藤究 ‐ アステカ神話を現代に重ねるクライムノベル【書評】

佐藤究さんの長編小説『テスカトリポカ』は、直木三十五賞と山本周五郎賞をW受賞した作品。これは17年ぶり史上2度目の快挙である。壮大な物語を完成させるために、相当の資料を読み込み、言葉で描写することに妥協しなかったことが窺える。
本・小説

『物語論 基礎と応用』橋本陽介 ‐ 文学研究におけるナラトロジー【書評】

橋本陽介さんの『物語論 基礎と応用』。文学研究には、「何が書かれているのか」という内容を重視する方法と、「どのように書かれているのか」という形式を重視する方法とがある。物語論(ナラトロジー)は後者、形式を重視する立場。
本・小説

『日本国紀』百田尚樹 ‐ 日本通史としての読み応えあり【書評】

百田尚樹さんの『日本国紀』は、一般向けに書かれた文学的な日本通史。分かりやすくまとめてあり、日本史の全体像を把握できる。専門家の監修もあり、読む価値がある。
本・小説

『コンビニ人間』村田沙耶香 ‐ 少し怖いがすかっとするユーモア小説【書評】

村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』は、第155回芥川賞受賞作。少し怖いがすかっとするユーモア小説です。男性はグロテスクな部分に注目する方も多いが、女性はすかっとするという方が多いらしい。どちらにしても面白い小説です。
本・小説

『夜行』森見登美彦 ‐ 夢幻の境をさまよう物語【書評】

森見登美彦さんの小説『夜行』。出版元の情報を見ると、怪談と青春とファンタジーの3語がキーワードになっていた。学生時代からの仲間が登場人物であり、京都の宿で皆が奇妙な話を語る。全体的にはファンタジー小説としての印象が強く残る。
本・小説

『ホテルローヤル』桜木紫乃 ‐ 父親がかつて経営し実在した施設【書評】

桜木紫乃さんの連作短編集『ホテルローヤル』は、第149回直木賞受賞作。世間の常識から外れていたり、官能的だったりしますが、ほのぼのとした場面も多く、心温まる話もあります。
本・小説

『銀河鉄道の父』門井慶喜 ‐ 父子の情、家族愛【書評】

門井慶喜さんの長編小説『銀河鉄道の父』は、第158回直木賞受賞作です。宮沢賢治の生涯や家族についての物語が、賢治の父・宮沢政次郎の視線を通して描かれています。家族のぬくもりや父と息子の関係を描いた物語です。
本・小説

『ファーストラヴ』島本理生 ‐ 普通の初恋ではない、歪められた記憶【書評】

島本理生さんの長編小説『ファーストラヴ』は、第159回直木賞(2018年上半期)受賞作です。普通の初恋ではない、歪められた記憶。女性や弱者に対する社会の理不尽さに目を向けさせる小説でした。
本・小説

『鍵のない夢を見る』辻村深月 ‐ 町の事件をテーマにした5篇【書評】

辻村深月さんの短篇小説集『鍵のない夢を見る』は、第147回直木賞(2012年上半期)受賞作です。 町の事件を扱う5篇が収録されています。結論を出してしまわずに、読者に委ねる書き方を意識したとのこと。
タイトルとURLをコピーしました