本・辞書

仏教の基本経典と基礎知識の習得におすすめの2冊

この記事は約4分で読めます。

日本人は仏教徒が多いのですが、仏教の本質についてどれくらい理解しているでしょうか。葬儀や法事については、必要性から経験や本などで得た知識により、ある程度理解しているという方が多いと思います。
また、学校教育の日本史および世界史の中で、いくらかは仏教について学ぶ機会があるので、ある程度の知識はあるでしょう。しかし、宗教としての理解については、日本人の場合、僧侶や学者、一部の信仰心の強い仏教徒を除き、知識に乏しいという人が多いのではないでしょうか。

例えば、キリスト教であれば聖書、イスラム教であればコーランがあるように、仏教には経典があります。仏教の経典を読んだことがありますか。

日本仏教を学べる2冊

日本仏教にとって重要な経典を学べる1冊と仏教の基礎知識を幅広く学べる1冊を紹介します。

日本仏教の基本経典(大角修, 角川選書, 2020年3月)

日本仏教の基本経典/大角修
出典:Amazon
書誌情報

書名:日本仏教の基本経典
著者:大角 修
出版社:角川選書
出版年月:2020年3月(紙書籍・電子書籍)
Cコード:C0315(仏教)

紙書籍

電子書籍

仏教徒と名乗っているので、経典に書かれていることをもう少し理解したいという方におすすめなのが、大角修さんの著書『日本仏教の基本経典』(角川選書)です。お釈迦様の伝記と教えを学ぶことができますし、日本仏教にとって重要な経典が精選されているので、日本人の仏教徒ならどの宗派であっても興味を持てそうです。

本書では「日本の歴史・文化・風習に大きな影響をあたえた29の重要経典を精選し、その要所を平易に現代語訳KADOKAWA公式サイトより」しています。
また、「基礎知識とともに、『源氏物語』『平家物語』といった古典文学との関わり、各宗派の教義、日常の話し言葉になった仏語の由来なども解説KADOKAWA公式サイトより」されている点も、私としては魅力を感じました。簡単に精読できる内容ではないかもしれませんが、仏教徒の必備書としておすすめです。

仏教用語の基礎知識(山折哲雄, 角川選書, 2000年7月)

仏教用語の基礎知識/山折哲雄
出典:Amazon
書誌情報

書名:仏教用語の基礎知識
編著:山折 哲雄
出版社:角川選書
出版年月:2000年7月(紙書籍)/2015年2月(電子書籍)
Cコード:C0315(仏教)

紙書籍

電子書籍

もう一冊、おすすめしたいのが、山折哲雄さんの編著『仏教用語の基礎知識』(角川選書)です。こちらは「仏教の基礎知識を幅広く平易に解説KADOKAWA公式サイトより」した仏教用語の書籍です。公式サイトには「思想や教義をはじめ、彼岸や盆などの年中行事、霊場めぐり、芸能、寺社縁起などの民俗的な事例、葬儀・墓・戒名など身近な死者供養の問題を、今日的な視点で語る」と紹介されています。目次として「仏教とは何か」「仏教の歴史と人物」「諸仏・諸尊」「霊地・霊場」「葬儀・法会」「経典」「仏教芸能と文芸」「お寺の知識」「祖先とホトケ」の10章があり、仏教に関することが一通り網羅されています。

日本人が信仰する宗教と信仰心

NHKが2018年に、全国の18歳以上を対象に行った世論調査 では、信仰している宗教を仏教と答えた人が31%、神道が3%で、何らかの宗教を信仰していると答えた人は合わせて36%とのこと。そして60%以上は信仰宗教なしと答えています。この調査は2008年にも実施していて、10年間でほとんど変化していません。

しかし、信仰心があるかどうかを尋ねた質問では、あると答えた人が2008年の33%に対して、2018年は26%に減少しました。逆にないと答えた人は、2008年は45%でしたが2018年は52%と増加しました。

何らかの宗教を信仰しているのかと、信仰心があるかは別の話ということです。信仰している宗教がある人に対する信仰心の有無についての質問では、信仰心ありと答えた人の割合が2008年は65%でしたが、2018年は53%まで減少しています。

▼参考 :日本人で宗教を信仰している人は何%? 増えてるの減ってるの? | NHK文研

日本の仏教徒のほとんどは、個人ではなく家単位で特定のお寺の檀家になっています。そのため、所属している寺院 や宗派などについては、親などから聞かされて知っているのではないでしょうか。

いずれにしても、仏教を信仰して、檀家になっているのですから、仏教のことを、特に自分の宗派に関することをもっと深く知っておきたいと私は考えています。

タイトルとURLをコピーしました