書物とことば

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『沈黙のパレード』東野圭吾――共犯者の誰も知らなかった隠れた真実

東野圭吾さんの『沈黙のパレード』。ミステリー小説において、遺族らの視点に立つ復讐のための殺人というストーリーは受け入れにくいこともある。だが本作は、そういう経緯があったのかと、事件の真相や話の展開に関心を持ち続けながら読了できた。
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『十角館の殺人』綾辻行人 叙述トリックの傑作にして本格ミステリの金字塔

綾辻行人さんの小説『十角館の殺人』は、巧妙な叙述トリックで読者を驚かせる本格ミステリの傑作。熱狂的なファンを生み続ける理由を、物語構造や登場人物、トリックの妙から深掘りして解説・考察します。
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『推し、燃ゆ』宇佐見りん――主人公には早く立ち直ってほしい

宇佐見りんさんの小説『推し、燃ゆ』。本作の序盤には、アイドルとのかかわり方は十人十色であることに触れ、どのような人がいるのかを、分析的に語る文章がある。大抵の人はどれかにあてはまると思う。主人公には早く立ち直って欲しい。
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『4TEEN』石田衣良――14歳の主人公たちと自分自身の中学時代

石田衣良さんの短篇小説集『4TEEN』は、第129回直木賞受賞作。本書は、2003年に新潮社から刊行された連作短篇集で、文芸誌『小説新潮』に掲載された6篇と書下ろし2篇の8篇からなる。基本的には中学生の青春や学校生活などに纏わる物語。
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『春の庭』柴崎友香――古いアパートでの出会いと懐かし記憶

柴崎友香さんの中篇小説『春の庭』は、第151回芥川賞受賞作。柴崎友香さんは、本作の出発点が実体験から想像を膨らませたものであることを、インタビューで明かしています。
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『家族シネマ』柳美里――それぞれの場面が面白い

柳美里さんの小説『家族シネマ』は、第116回芥川賞受賞作。物語のそれぞれの場面に、小説としての面白さを強く感じた。芥川賞の選評では、文学的才能を感じるといった言葉が、数名の選考委員から出ている。
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『蛇を踏む』川上弘美――筆力の評価が高い作品

川上弘美さんの短篇小説『蛇を踏む』は、第115回芥川賞受賞作。端的に言えば変身譚。筆力の評価が高い作品。
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『ほかならぬ人へ』白石一文――直木賞受賞作が描く恋愛と人生の葛藤

白石一文さんの『ほかならぬ人へ』は、第142回直木賞を受賞した中篇小説集。結婚適齢期の男女を描いた2作品が収録され、リアルな恋愛の葛藤と人生観が深く描かれている。直木賞選考委員からの評価も高く、多くの読者の共感を呼んだ話題作。
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『マチネの終わりに』平野啓一郎――運命に翻弄される大人の恋

平野啓一郎さんの小説『マチネの終わりに』は、世界的なクラシック・ギタリスト蒔野聡史と、国際的に活躍するジャーナリスト小峰洋子が織りなす大人の恋愛物語。運命に翻弄されながらも、惹かれ合う二人の切ない愛の行方が、読者の心を深く揺さぶる一冊。
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『乳と卵』川上未映子――大阪出身の女性三人が織りなす物語

川上未映子さんの小説『乳と卵』は、第138回芥川賞受賞作。独特な大阪弁の文体で書かれており、それが小説としての面白さにもなっている。会話文にも地の文にもその傾向がある。
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