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『星落ちて、なお』澤田瞳子 ‐ ひとりの女性の一代記【書評】

澤田瞳子さんの小説『星落ちて、なお』は、第165回直木賞受賞作。『別冊文藝春秋』に掲載された連載小説が、単行本化され直木賞を受賞した。明治から大正の、東京を舞台に、実在した女絵師をモデルにし、彼女の人生を一代記として書いている。
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『少年と犬』馳星周 ‐ 素直に感動できるストーリー【書評】

馳星周さんの『少年と犬』は、第163回直木賞受賞作である。連作短編として、娯楽小説誌『オール讀物』に掲載された6話からなる。多聞と名付けられた犬の旅が、ひとつの物語として完結する。
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『背中の蜘蛛』誉田哲也 ‐ 現代の監視社会と犯罪【書評】

誉田哲也さんの長編小説『背中の蜘蛛』は、国家による監視社会を題材にした警察小説。第162回直木賞の候補作。本作は、元CIA職員が暴露した、アメリカ合衆国連邦政府による個人情報監視の実態を題材にしている。
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『旅する練習』乗代雄介 ‐ 構造の完成度の高さと喪失感の残る結末が印象的【書評】

乗代雄介さんの「旅する練習」は、第34回三島賞受賞作。第164回芥川賞の候補作でもある。風景描写によるメタフィクションなど、構造の完成度の高さに評価が集まった模様。
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『テスカトリポカ』佐藤究 ‐ アステカ神話を現代に重ねるクライムノベル【書評】

佐藤究さんの長編小説『テスカトリポカ』は、直木三十五賞と山本周五郎賞をW受賞した作品。これは17年ぶり史上2度目の快挙である。壮大な物語を完成させるために、相当の資料を読み込み、言葉で描写することに妥協しなかったことが窺える。
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『コンビニ人間』村田沙耶香 ‐ 少し怖いがすかっとするユーモア小説【書評】

村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』は、第155回芥川賞受賞作。少し怖いがすかっとするユーモア小説です。男性はグロテスクな部分に注目する方も多いが、女性はすかっとするという方が多いらしい。どちらにしても面白い小説です。
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『夜行』森見登美彦 ‐ 夢幻の境をさまよう物語【書評】

森見登美彦さんの小説『夜行』。出版元の情報を見ると、怪談と青春とファンタジーの3語がキーワードになっていた。学生時代からの仲間が登場人物であり、京都の宿で皆が奇妙な話を語る。全体的にはファンタジー小説としての印象が強く残る。
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『ホテルローヤル』桜木紫乃 ‐ 父親がかつて経営し実在した施設【書評】

桜木紫乃さんの連作短編集『ホテルローヤル』は、第149回直木賞受賞作。世間の常識から外れていたり、官能的だったりしますが、ほのぼのとした場面も多く、心温まる話もあります。
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『銀河鉄道の父』門井慶喜 ‐ 父子の情、家族愛【書評】

門井慶喜さんの長編小説『銀河鉄道の父』は、第158回直木賞受賞作です。宮沢賢治の生涯や家族についての物語が、賢治の父・宮沢政次郎の視線を通して描かれています。家族のぬくもりや父と息子の関係を描いた物語です。
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『ファーストラヴ』島本理生 ‐ 普通の初恋ではない、歪められた記憶【書評】

島本理生さんの長編小説『ファーストラヴ』は、第159回直木賞(2018年上半期)受賞作です。普通の初恋ではない、歪められた記憶。女性や弱者に対する社会の理不尽さに目を向けさせる小説でした。
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