小説

『熱源』川越宗一 ‐ 人生を全うしようとする登場人物の情熱【書評】

川越宗一さんの長編小説『熱源』は、2019年に文藝春秋から刊行され、第162回直木賞を受賞した作品です。樺太の地を中心に、明治から第二次世界大戦終結の頃までを生きていた人々の姿が描かれています。この物語は史実をもとにしたフィクションです。
小説

『1Q84』村上春樹 ‐ 複雑なストーリーと二つの執筆動機【書評】

村上春樹氏の小説『1Q84』は単行本で全3巻の長編。2009年から2010年にかけて新潮社より刊行されました。第63回(2009年)毎日出版文化賞<文学・芸術部門>受賞作。朝日新聞が識者へのアンケートで選んだ「平成の30冊」では第1位でした。
映画・ドラマ

『羅生門』黒澤明監督作品と原案の芥川龍之介作品との比較

黒澤明監督の『羅生門』は1950年公開の白黒映画。黒澤明監督や日本映画が、世界で評価される切っ掛けとなった作品として知られている。原案となった芥川龍之介の作品と比較した。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、米アカデミー賞名誉賞を受賞。
映画・ドラマ

『新聞記者』政治問題をモチーフにした社会派ドラマ【映画評】

映画『新聞記者』は、政治問題をモチーフにした社会派ドラマ。本作は、新聞記者・望月衣塑子さんの著書である新書『新聞記者』を原案にし、脚色したオリジナルストーリー。監督は藤井道人さん。主演はシム・ウンギョンさんと松坂桃李さん。
本・辞書

日本人の起源を科学的に解明、DNA解析の本2冊を読んだ感想 (斎藤成也/篠田謙一)【書評】

斎藤成也氏の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』と篠田謙一氏の『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』。古人骨と現代人のDNA解析により、人類の系統や分布を研究する分子人類学者。
小説

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ ‐ 遺伝子工学が齎した残酷な世界【書評】

『わたしを離さないで』(原題:Never Let Me Go)は、2005年にイギリスで発表され、日本では2006年に早川書房から単行本が刊行された小説です。著者はノーベル賞作家のカズオ・イシグロさん。翻訳者は土屋政雄さんです。
小説

『騎士団長殺し』村上春樹 ‐ 登場人物の実生活での葛藤と奇妙な体験【書評】

『騎士団長殺し』は、村上春樹さんの14作目の長編小説です。この作品は2017年に新潮社から刊行された書下ろし。2部構成の小説で、第1部「顕れるイデア編」と第2部「遷ろうメタファー編」に分かれています。実生活での葛藤と奇妙な体験が交差します。
小説

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹【書評】 

小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は、2013年に文藝春秋から刊行された、村上春樹さんの13作目の長編です。主人公が語る過去の悲痛な出来事から物語は始まります。本作はいわゆるリアリズム小説。
小説

『アフターダーク』村上春樹 ‐ 詩的な表現と物語の視点【書評】

村上春樹さんの小説『アフターダーク』には、浅井マリという19歳の女子大生が登場します。マリが23時56分から翌朝6時52分までに体験する出来事がストーリーの中心です。深夜から翌日の明け方までの出来事として描かれています。
小説

『ノルウェイの森』村上春樹 ‐ 心の深淵を覗く【書評】

村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』は、1987年に講談社から上下巻で刊行された書下ろし長編です。村上春樹さんが恋愛をテーマにリアリズム小説を書くことにした理由、本作のあらすじ、下地となった短編小説についてなどをまとめました。
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