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『伝わる・揺さぶる!文章を書く』山田ズーニー 書くことは考えること【書評】

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山田ズーニー氏の「伝わる・揺さぶる!文章を書く」は、2001年11月にPHP新書より刊行された。本書は、小論文指導のエキスパートが、よい文章を書くための戦略をアドバイスするという内容。「どうしたら誤解されずに想いを伝え、読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?」という悩みを解消するために書かれたようだ。章分けは次のようになっている。

プロローグ 考えないという傷 
第1章 機能する文章を目指す 
第2章 7つの要件の思考法 
第3章 伝わる・揺さぶる!文章の書き方――実践編 
第4章 より効果を出す!テクニック――上級編 
第5章 その先の結果へ 
エピローグ あなたと私が出会った意味

第3章の実践編では、「実践1 上司を説得する」「実践2 お願いの文章を書く」「実践3 議事録を書く」「実践4 志望理由 (自薦状) を書く」「実践5お詫びをする」「実践6 メールを書く」という項目が設けられていた。これらが示す通り、本書は学生やビジネスパーソンにおすすめの本だ。

プロローグの冒頭には、「書くことは考えることであり、自分の頭で考える方法がわかれば、文章は格段に進歩する」というようなことが書かれていた。いろいろな意見があるだろうが、私としては山田ズーニー氏のこの考えと同感だ。
「その人自身が反映されていない文章に出会うとき、不自由な気持ちになってしまう」が、彼らに教えなければならないことは、価値観でもなく、センスでもなく、「自分の頭でものを考えるための具体的な方法」。

第1章は「機能する文章を目指す」という見出しであるが、これは実用以上、芸術未満の領域を指している。本書の執筆時点の話であるが、将来この領域が必要になることが多いにもかかわらず、文章教育の現場では、生活の中で「機能する文章」という領域が抜けていると、山田ズーニー氏は感じていたそうだ。 

将来、詩や小説を書くことよりも、仕事先へのお詫びの手紙を書く必要に迫られ子どものほうが圧倒的に多いのに、「機能する文章」の書き方を教わっていない。また、実用文章の書き方となると、報告書など、限られた範囲になってしまう。

実用以上、芸術未満の領域とは、生きていくための必需品のような文章のことで、「生活機能文」とも「コミュニケーション文」とも言える。そして、本書ではそれを扱う。

第1章Lesson2の見出しは「文章の7つの要件を押さえる」であるが、山田ズーニー氏は機能する文章を書くために必要と考える7つの要件を挙げた。それは「意見」「望む結果」「論点」「読み手」「自分の立場」「論拠」「根本思想」の7つだ。そして、7つの要件のうち、基本となるのが「論点」「論拠」「意見」の3要素。これらは、広い範囲をカバーする文章の原則と言えるだろう。

第2章では、7つの要件について、一つひとつのより詳しい説明がある。7つの要件のうち、「読み手」と「自分の立場」を「第4節 関係性」にまとめ、第1節から第6節までを設け、さらにLesson1、Lesson2、……と、具体的なアドバイスがされていた。

エピローグには3つの話があり、最後は「あなたにしか書けない、かけがえのないもの」というテーマの話で締めくくられている。

伝わる・揺さぶる!文章を書く/山田ズーニー
出典:Amazon
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