令和八年、立秋から立冬へ向かう季節を詠んだ俳句をまとめています。移ろう光や風、仕事や日々の暮らしのなかで心に留まった一瞬を一句に託しました。季節の歩みに合わせて、作品を少しずつ加えていきます。
本年も母と二人の墓参り
盆僧は我が家も五分慌ただし
青と白の桔梗がみな東向く


金木犀生き返りて芽を吹きけり
朝顔や置き配ボックスと離す
鶺鴒や並びて屋根を駆け抜ける
開封済みのチョコレートを食む秋
BMI気になりぬ五十路の秋
植え替えてついに根づかぬ秋暑かな
八十の母が世話する残暑の庭
仕事終へ作句に励む八月晦日
天の川吾らを包む子宮かな
夜顔の開花見逃さぬ母と吾

九月場所秋田ゆかりの力士推す
二羽並び白き八の字の鶺鴒
山茱萸に芋虫何蝶にならむ
蓑虫の小さきものが数十匹
花虎の尾寄れば四角く行儀よく

秋明菊よもっともっと増えて咲け

居間に虫耳を澄まして一夜過ぎ
蓑虫の果てたる親の蓑は空
穴だらけの葉の裏に山茱萸の実

若き日の夜勤とほのかなる夜食
引き抜いた草に芋虫のいるぬめり
庭隅より秋明菊広がりぬ



