本・小説 『4TEEN』石田衣良 ‐ 14歳の主人公たちと自分自身の中学時代【書評】 石田衣良さんの短篇小説集『4TEEN』は、第129回直木賞受賞作。本書は、2003年に新潮社から刊行された連作短篇集で、文芸誌『小説新潮』に掲載された6篇と書下ろし2篇の8篇からなる。基本的には中学生の青春や学校生活などに纏わる物語。 2021.03.14 本・小説
本・小説 『春の庭』柴崎友香 ‐ 古いアパートでの出会いと懐かし記憶【書評】 柴崎友香さんの中篇小説『春の庭』は、第151回芥川賞受賞作。柴崎友香さんは、本作の出発点が実体験から想像を膨らませたものであることを、インタビューで明かしています。 2021.03.09 本・小説
本・小説 『家族シネマ』柳美里 ‐ それぞれの場面が面白い【書評】 柳美里さんの小説『家族シネマ』は、第116回芥川賞受賞作。物語のそれぞれの場面に、小説としての面白さを強く感じた。芥川賞の選評では、文学的才能を感じるといった言葉が、数名の選考委員から出ている。 2021.03.08 本・小説
本・小説 『蛇を踏む』川上弘美 ‐ 筆力の評価が高い作品【書評】 川上弘美さんの短篇小説『蛇を踏む』は、第115回芥川賞受賞作。端的に言えば変身譚。筆力の評価が高い作品。 2021.03.06 本・小説
本・小説 『ほかならぬ人へ』白石一文 ‐ 若い男女の恋愛感情と葛藤【書評】 白石一文さんの中篇小説集 『ほかならぬ人へ』は、第142回直木賞を受賞した、中編二作の作品集である。二作品とも、結婚適齢期の男女の、恋愛や葛藤などが、リアルな描写で描かれている。 2021.03.05 本・小説
本・小説 『マチネの終わりに』平野啓一郎 ‐ 大人の切ない恋物語【書評】 平野啓一郎さんの小説『マチネの終わりに』は、魅力溢れる二人の恋物語である。世界的なクラシック・ギタリストの蒔野聡史と、国際舞台で活躍するジャーナリスト・小峰洋子。世界で活躍できるような、特別な二人の恋物語であるが、心を打たれる作品であった。 2021.02.28 本・小説
本・小説 『乳と卵』川上未映子 ‐ 大阪出身の女性三人が織りなす物語【書評】 川上未映子さんの小説『乳と卵』は、第138回芥川賞受賞作。独特な大阪弁の文体で書かれており、それが小説としての面白さにもなっている。会話文にも地の文にもその傾向がある。 2021.02.21 本・小説
本・小説 『時計館の殺人』綾辻行人 ‐ 悲しみの連鎖が憎しみの連鎖となり惨劇を生む【書評】 綾辻行人さんの小説『時計館の殺人』。シリーズ第5作は想像を超える大仕掛けであった。分量は400字詰め原稿用紙で900枚超の長さ。本作は、第45回日本推理作家協会賞受賞作。 2021.02.18 本・小説
映画・ドラマ 『岸辺の旅』生と死をテーマに夫婦の絆をストレートに表現【映画評】 映画『岸辺の旅』は、夫婦の絆や人々との関わりを描いたヒューマンドラマ。あるいは、夫婦の愛を描く、大人のラブストーリー。死者との旅ではあるが、切なく淡々と物語は進む。ホラーやミステリーの要素の強い作品ではない。 2021.02.12 映画・ドラマ
本・小説 『笑顔と筋肉ロボット』山崎ナオコーラ ‐ 科学技術の進歩のおかげで性差は縮まる!?【書評】 山崎ナオコーラさんの短編小説『笑顔と筋肉ロボット』の初出は、月刊誌『すばる』2020年11月号。テーマはジェンダー。男性も女性も共感し、楽しめる作品だと思う。とくに物語の後半では、夫婦の会話に深みを感じたし、ユーモアのセンスにも感心した。 2021.02.05 本・小説