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『マチネの終わりに』平野啓一郎 ‐ 大人の切ない恋物語【書評】

平野啓一郎さんの小説『マチネの終わりに』は、魅力溢れる二人の恋物語である。世界的なクラシック・ギタリストの蒔野聡史と、国際舞台で活躍するジャーナリスト・小峰洋子。世界で活躍できるような、特別な二人の恋物語であるが、心を打たれる作品であった。
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『乳と卵』川上未映子 ‐ 大阪出身の女性三人が織りなす物語【書評】

川上未映子さんの小説『乳と卵』は、第138回芥川賞受賞作。独特な大阪弁の文体で書かれており、それが小説としての面白さにもなっている。会話文にも地の文にもその傾向がある。
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『時計館の殺人』綾辻行人 ‐ 悲しみの連鎖が憎しみの連鎖となり惨劇を生む【書評】

綾辻行人さんの小説『時計館の殺人』。シリーズ第5作は想像を超える大仕掛けであった。分量は400字詰め原稿用紙で900枚超の長さ。本作は、第45回日本推理作家協会賞受賞作。
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『笑顔と筋肉ロボット』山崎ナオコーラ ‐ 科学技術の進歩のおかげで性差は縮まる!?【書評】

山崎ナオコーラさんの短編小説『笑顔と筋肉ロボット』の初出は、月刊誌『すばる』2020年11月号。テーマはジェンダー。男性も女性も共感し、楽しめる作品だと思う。とくに物語の後半では、夫婦の会話に深みを感じたし、ユーモアのセンスにも感心した。
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『おもろい以外いらんねん』大前粟生 ‐ 笑いと差別をテーマにした中編小説【書評】

大前粟生さんの中編小説『おもろい以外いらんねん』は、笑いと差別をテーマにと依頼され、書き上げた作品とのこと。「2020年のコロナ下、リアルタイムで現実でも起きているようなことをフィクションに」と言われたそうだ。
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『水と礫』藤原無雨 ‐ 物語を反復させながら広げていく章立て【書評】

藤原無雨さんの小説『水と礫』は、第57回文藝賞受賞作。この小説は、章立てに特徴がある。歳を重ねていくなかでの心理の変化。一族の歴史。それらが丁寧に描写されており、小説としての面白さや言語感覚、書き手の語り口などが評価されたようだ。
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『コンジュジ』木崎みつ子 ‐ 現実と妄想と伝記の三つが絡み合う【書評】

木崎みつ子さんの小説『コンジュジ』は、第44回すばる文学賞受賞作。主人公の名前は「せれな」。冒頭には、11歳の少女・せれながイギリス人のロックスター・リアンに恋をしたことが書かれている。せれなは31歳になっている。
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『一人称単数』村上春樹 ‐ 過去を振り返るように語る主人公【書評】

村上春樹さんの短編小説集『一人称単数』の刊行は2020年。短編集は文章の名手と言われるような老練な作家が書くもの、という意見を聞くことがあります。『一人称単数』は正にそういった作品といえるでしょう。
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『海辺のカフカ』村上春樹 ‐ 15歳の少年が主人公の幻想的な物語【書評】

村上春樹さんの小説『海辺のカフカ』は、書き下ろしの長編。村上春樹さんの長編小説としては、10作目となる。上下巻二分冊で刊行された。『海辺のカフカ』は、15歳の少年が家出を決意するところから始まる。
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『ねじまき鳥クロニクル』村上春樹 ‐ 夫婦の感情のもつれ、戦前の満州国【書評】

『ねじまき鳥クロニクル』は、村上春樹さんの8作目の長編小説。「第1部 泥棒かささぎ編」「第2部 予言する鳥編」「第3部 鳥刺し男編」の3巻から成る。第47回(1995年)読売文学賞<小説賞>受賞作。
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