詩歌

『考える短歌 作る手ほどき、読む技術』俵万智 ‐ どうすればもっとよくなるか【書評】

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この記事では、俵万智さんの著書『考える短歌 作る手ほどき、読む技術』について、その概略をご紹介します。

考える短歌 作る手ほどき、読む技術 俵万智・著

考える短歌(俵万智, 新潮新書)の表紙
出典:Amazon

書誌情報

書名:考える短歌 作る手ほどき、読む技術
著者:俵万智
出版社:新潮社(新潮新書)
発売年月:新書 2004年9月, 電子書籍 2012年8月
ページ数:176ページ
ジャンル:詩歌
Cコード:0292(日本文学詩歌)

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どうすればもっとよくなるか

本書の「はじめに」では、次のようなことが書かれていた。ものごとを感じる心がなければ歌は生まれない。心が揺れたときが出発点。

ゆえに、日頃から心の筋肉を柔らかくすることが大切。ただし、本書から学ぶことは、短歌を作るうえでの「言葉の技術」について。心の柔軟体操のほうは各自でお願いします、とのこと。また、俵万智さんにとっては、短歌を作ること自体が心の柔軟体操になっている、とも書かれていた。

俵さんは、新聞紙上での短歌欄の選をつとめられてきた。そんな経験も生かしながら「どうすればもっとよくなるか」を考えることが、本書の趣旨のようだ。よって投稿歌への添削が中心になっている。また、各講には投稿句の中から優秀作を掲げ、さらに歌人と呼ばれるプロの技を味わえるように鑑賞句も掲載されている。

本書には第一講から第八講まである。

第一講 「も」があったら疑ってみよう
第二講 句切れを入れてみよう
    思いきって構造改革をしよう
第三講 動詞が四つ以上あったら考えよう
    体言止めは一つだけにしよう
第四講 副詞には頼らないでおこう
    数字を効果的に使おう
第五講 比喩に統一感を持たせよう
    現在形を活用しよう
第六講 あいまいな「の」に気をつけよう
    初句を印象的にしよう
第七講 色彩をとりいれてみよう
    固有名詞を活用しよう
第八講 主観的な形容詞は避けよう
    会話体を活用しよう

俵さんは、優れた短歌を詠む方なので、他者の作品についての解釈や添削においても、なるほどと思うことばかりだ。本書の出版社である新潮社は、俵版「文章読本」としているが、日本語の勉強にもなる。

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