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ことばと創作

令和8年春の十九句

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春のはじまりから終わりへ。移ろう季節のなかで、ふと立ち止まるように詠んだ十九句をまとめました。言葉と沈黙のあいだに生まれる、ささやかな感触をお楽しみいただければ幸いです。

金縷梅や脚立の影のまだ長く

金縷梅(まんさく)
金縷梅(まんさく)

瓶にさす桃の花まだ蕾かな

桃の花の蕾
桃の花の蕾

瓶にさす桃の花や座の明るさ

桃の花
桃の花

山茱萸の花に寄れば原始めく

山茱萸(さんしゅゆ)の花
山茱萸(さんしゅゆ)の花

春昼や校正終へてゼリー喰う

春の夕書き終へて指止まりけり

書き終へて音なき部屋の春の夕

見比べて庭に四本の椿かな

椿
椿

歌とは違ふ
白き花水木かな

花水木(はなみずき)
花水木(はなみずき)

客迎ふ芝桜やや控えめに

芝桜
芝桜

門脇に芝桜ひかへめに咲く

雨脚にまぎれてゐたり一人静

一人静(ひとりしずか)
一人静(ひとりしずか)

一人静雨の深みに触れてをり

庭にありてなお探しゆく錨草

錨草(いかりそう)
錨草(いかりそう)

春灯や本閉ぢかけて指の跡

春灯や椅子に戻れば卓広し

石楠花や咲きそむる庭に吹く風

石楠花(しゃくなげ)
石楠花(しゃくなげ)

石楠花や庭に満ちゆく光かな

石楠花(しゃくなげ)
石楠花(しゃくなげ)

白きくす玉
石楠花の盛りかな

石楠花(しゃくなげ)
石楠花(しゃくなげ)
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