文学

小説

『背高泡立草』古川真人 ‐ 島の歴史とゆかりのある家族【書評】

古川真人さんの小説『背高泡立草』は、第162回芥川賞受賞作。本作には、9つの話があり、船着き場の話から始まり、帰路の話で終わる。この物語の本筋は、島にある納屋の周りの草刈りであるが、その他にも島の歴史についての話もある。
小説

『1R1分34秒』町屋良平 ‐ 主人公の「ぼく」の人間性【書評】

町屋良平さんの小説『1R1分34秒』は、第160回芥川賞受賞作。主人公の「ぼく」は21歳のプロボクサー。C級ライセンスを取得し、四回戦の試合に出場している。パチンコ店員のアルバイトもしている。
小説

『ニムロッド』上田岳弘 ‐ 謎のメールの展開と三人の関係【書評】

上田岳弘さんの小説『ニムロッド』は、第160回芥川賞受賞作。本作は、仮想通貨のビットコインなどを題材にして、情報化社会をどう生きるか、といったとことをテーマにしている。本作の主人公の名前は、ビットコインの創業者のサトシ・ナカモトと同姓同名である。
小説

『送り火』高橋弘希 ‐ なぜ苛めや暴力は起こるのか【書評】

高橋弘希さんの小説『送り火』は、第159回芥川賞受賞作。主人公は中学三年生の歩。父母と三人家族である。商社勤めの父は転勤が多く、今回は進級する春先に合わせて、東京から津軽地方の山間部へ引っ越してきた。
小説

『百年泥』石井遊佳 ‐ 人生は不特定多数の人々の記憶の継ぎ合わせ【書評】

石井遊佳さんの小説『百年泥』は、第158回芥川賞受賞作。小説の舞台はインド、タミル・ナードゥ州チェンナイ市。著者が実際に暮らしている街だ。日本語教師の経験があるのも主人公と同じである。石井遊佳さんは、本作の着想を実体験から得た。
小説

『放課後』東野圭吾 ‐ 囮トリックと犯行動機をどう読むべきか【書評】

東野圭吾さんの小説『放課後』は、1985年の第31回江戸川乱歩賞受賞作。女子高を舞台にした学園ミステリーである。東野圭吾さんは、この作品で作家デビューを果たした。1985年度の週刊文春ミステリーベスト10において1位。
小説

『あの頃の誰か』東野圭吾 ‐ わけあり物件を集めた短編集!?【書評】

東野圭吾さんの短編小説集『あの頃の誰か』には、シリーズものでない8編が収められている。本書は、当初から文庫判として発売された。東野圭吾さんによれば、「わけあり物件」が収録されているとのことである。
小説

『居眠り磐音 陽炎ノ辻』佐伯泰英 ‐ 大長編シリーズの第1作【書評】

佐伯泰英さんの「居眠り磐音」シリーズは、全51巻からなる文庫書下ろしの時代小説。主人公の坂崎磐音を、最初に居眠り磐音と呼んだのは、国元・豊後関前藩での剣術の師・神伝一刀流の中戸信継。磐音の剣術の腕は確かだが、中戸信継は磐音の構えを居眠り剣法と評した。
小説

『犬婿入り』多和田葉子 ‐ 学習塾を一人で経営する39歳の独身女性【書評】

多和田葉子さんの小説『犬婿入り』は、第108回芥川賞受賞作。犬婿入りとは、キタムラ塾の北村みつこ先生が子供たちに話した民話で、犬がお姫様と結婚する話。北村先生は39歳の独身女性。
小説

『容疑者Xの献身』東野圭吾 ‐ 天才数学者による難解なトリック【書評】

東野圭吾さんの小説『容疑者Xの献身』は、第134回直木賞を受けたほか、この年の数多くのミステリ系文学賞を受賞し、多方面から高い評価を受けた作品だ。天才数学者による難解なトリック、そして母と娘、隣人男性の思いが心に残る。
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